▲人の手や足などを口にくわえる行為はさせないように。
前回は子犬のじゃれ咬み遊びが犬にとって「かみつきの抑制」を覚えるための重要な遊びだというお話をしましたね。では、今回はもう少し突っ込んで、なぜそれが重要なのかを考えてみましょう。
毎年多くの人が犬に咬まれてケガをされています。みなさんの周りにもおられるんじゃないですか? 犬が咬みつく理由の代表的な例としては、社会化されていないために、他人や他の犬に対して不安や恐怖を覚えたり、ものを守る防衛的な行動をしたり、いろいろなストレスが重なって…などが挙げられますが、犬によっても様々でしょう。咬みつきにいたる経緯については別の機会にお話するとして、咬みつかれた方の傷の程度はいかがでしたか?
かみつき抑制を学習している犬は捕食の目的以外であれば、相手を痛めつけるほど咬みつくことはありません。自分の顎を上手にコントロールして強く相手を傷つけなくても、その状況を回避できることを知っているからです。咬傷事故の重症ケースでは、皮膚が切り裂かれたり、犬がくわえたまま左右に首を振ったため傷が広がったり、傷の周りにあざができたりします。実はこういった重症の傷は、咬みつき抑制を覚えていない犬によるものなのです。
また、上記のようなひどい咬みつきをしてしまう犬は、比較的に大人しい犬か、シャイな犬に多くみられがちです。子犬の頃から消極的であまり遊ばないとか、犬同士で激しくかみ合いながら遊ぶことがなかったとか、人に対しても消極的でじゃれて咬みつくことがなかったことが原因として挙げられます。もしくは、よくじゃれ咬みをするので、怒ったり、マズルをつかんで止めさせてしまうなど、学習の機会がなくなった犬たちにみられるようです。
咬みつきの抑制って大切なんですよ。子犬の頃には、ぜひ下記の3つのステップで咬みつき抑制を教えていきましょう。

■■ステップ1■■■■■■■■■
子犬に「じゃれ咬み遊びのサイン」を出して自分の手を動かして、じゃれさせる。

※サインが出ている以外の時に咬んで来ても応じてはいけません。

■■ステップ2■■■■■■■■■
子犬が痛く咬んだら「痛い!」と声を上げて、子犬のいる部屋から立ち去る。

※「痛い」のサインは子犬を叱るためのものではなく、犬の言葉でいうと「キャン」という本当に自分の痛みをあらわした音です。また、子犬が残された部屋でイタズラができないように、あらかじめ部屋を整理しておきましょう。

■■ステップ3■■■■■■■■■
15秒くらいしたら、もう一度部屋に戻り、オスワリをさせてから再び遊んであげる。


さあ、この3つのステップで子犬が学ぶことはなんですか? きっと子犬は「強く咬んだら遊びが終わってしまうんだな!」ということを学ぶに違いありませんね。咬む力加減を覚えたら、今度は回数を減らしていき、永久歯が生える頃には、人の手や足などを口にくわえる行為はさせないように教えていきましょう。
さらに、人の洋服や靴をくわえる事は絶対に止めさせる必要があります。洋服は痛くないのでついほっておいてしまうのですが、犬はどんどん人に対してどんどん強く咬むことを学んでいるようなものです。これはオモチャなどの道具をひっぱりあいするのとは、まったく違います。ひっぱりっこがしたいなら、オモチャを使って遊ばせましょう。
「犬は咬みつく動物だ」とたくさんの人が思っているに違いありません。度を越しても「犬なんだからかみついても仕方ないよね」という言葉まで飛び出しそうですが、こうなると犬に何の教育もしなかったことを正当化することになってしまいます。犬は正しい学習の機会さえ与えられれば、きちんと咬みつくことに対する抑制を覚えるようになるのです。きちんと把握しておいてくださいね。
犬が本来の犬であるために、子犬を飼ったら何よりも優先させて教えてあげましょう。
宮武先生のオフシャルホームページ[Good Boy Heart]
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