▲命を奪われる仲間達が少しでも減りますように。
皆さんは、シェルターということばを聞いたことがありますか? 動物の世界でいうシェルターとは、飼い主が放棄した動物を保護して再び家庭へ戻すために一時的に保護をする施設のことをいいます。欧米ではこのシステムが発達していますので、各地にアニマルシェルターと呼ばれる施設があり、この活動も一般的に知られています。活動はボランティア団体の運営によるものと公的な施設として行われているものがあります。日本では特にここ数年、こういった動物保護活動に関心を示される方の増加によって少しずつ広がりを見せているようですよ。

こうした活動が広がる一方で、飼い主が捨てたり、放り出した動物たちが、行政の施設によって処分されているという事実を知っていますか。2003年度の統計では年間に44万頭もの犬、猫の尊い命がなくなっています。すべて無責任な飼い主の放棄や、必要のない繁殖によるもの。処分される動物は特別な理由もなく命を絶たれているのです。

無責任な行為によって山などに捨てられた犬、猫の数を加えると、もっと多くの動物たちが不本意な一生を終えたといえるでしょう。アメリカではペットとして飼育されていた、たくさんの動物達の処分が繰り返されるという状況の中から市民が立ち上がり、「もう犬や猫を殺したくない」という気持ちを胸に、このシェルターワークという保護活動にむけて人々が動き始めたのです。アメリカのシェルター活動について取材に行った友人によると、アメリカではどこでインタビューしても「犬はシェルターでもらったよ。1頭でも多くの犬を救いたいし、あそこにはすばらしい犬がたくさんいるからね」という答えが返ってきたそうです。犬はお店で買うものではなく、そうした保護施設から“レスキュー”するのが一般的になっているようです。
国内にも様々な個人や法人という形でこうした保護活動をしている団体があります。私も微力ながら、「できることから少しずつ」を形にしようと思い、一昨年から保護団体のボランティアという形で管理センターに保護されている一部の犬たちの保護活動にたずさわるようになりました。捨てられている犬たちのほんの一部にしか及ばないのですが、正しい飼育環境とコミュニケーションの機会、学習のチャンスを与えてあげれば、問題があると思われていた犬も、本当はそうではないことを誰かに知らせたいという気持ちからでした。

私のかかわる活動では、管理センターで保護した犬を専門学校で学生と共にケアしながらトレーニングしています。数は少ないけど、ひとつひとつの命が学生達にも、もちろん私にも多くのことを伝えてくれるすばらしい活動となっています。3月には山の中で保護されたらしい子犬をむかえ、今その子犬たちもいろんな社会勉強を続けています。この活動のくわしい様子は次回皆さんにお伝えしたいと思います。
保護はいくらしても終わりがありません。捨てる前に、産ませる前になんとかしなければなりません。そのためには犬を飼っている人も飼っていない人も、毎日多くの犬、猫たちが命を絶たれていることを知ってほしいと思います。中には「引越し」という単純な理由で犬を捨ててしまう人もいるのです。犬を家族として暮らしている皆さんにはビックリするようなことでしょうが、そのビックリするようなことが実際おきているのですから…。

犬とかかわる仕事をしていると、「これって普通じゃないよね。」と思うことにぶつかります。たくさんの犬、猫が処分されている現状も、本来なら「普通でない」ことのはず。そのことを知ったら、まず自分にひとつでもいいので出来ることからはじめてみよう、と思いたって行動をしてみてください。ひとりで出来ない時は、仲間を増やすことです。私は現在、学生のシェルターワーククラブ員約50名と一緒に「私にできること少しずつ」を形にしています。

先に紹介した団体は、NPO法人福岡どうぶつ会議所といいます。
ホームページでも情報をご覧になれます。
http://www.animal-fukuoka.org/
皆さんの周りから、人の都合によって命を奪われる仲間達が少しでも減りますように。
次回は保護活動をした犬たちについてお話しましょう。
宮武先生のオフシャルホームページ[Good Boy Heart]
http://www.goodboyheart.com/
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