▲トレーニング風景
ペット、特に犬に関する情報は今や氾濫状態と言えます。雑誌やテレビだけでなく、インターネット上で「犬のしつけ」と検索しただけでも約1万4700件もヒット。情報の中には、プロフェッショナルの方が提案しているものをはじめ、一般の飼い主さんたちが「うちの子はこうして解決しました」というものまで、たくさんあります。
私が犬のトレーナーになりたい!と思い始めた20数年前のことです。犬のことを詳しく知りたいと思い立ち本屋に行くと、当時は犬の情報誌はひとつくらいしかありませんでした。
「犬の飼い方」という本もなかなか見つけられなかったし、「飼い主のためのしつけ方教室」などというタイトルは聞いたこともありませんでした。
そんな時代と比較すると、情報のある今は飼い主にとって、犬を育てやすい環境になったように感じられるかもしれませんが、実はそうとも言い切れないのが実状です。
どういうことかというと、たくさんの情報がある背景には、いろんな考え方が存在ということです。人間の「子育て法」を例に説明しましょう。例えば、赤ちゃんとの接し方について「できるだけダッコして育てた方が、子どもは落ち着いて育つ」という考えと、「すぐに抱いていると抱き癖がつくからダッコはしない方がいい」という考えが、紹介されているとします。どちらも間違いではないかもしれませんが、それぞれに信念があります。
その信念をしっかり把握しておかないと大変なことになります。なぜなら情報として流れている犬のしつけ手法をすべて試してしまい、まったく筋の通らないことを犬に言い続けることになりかねないからです。飼い主が信念を理解しないまま犬に伝えても、伝えられた犬は何を言っているのかがわかりません。ここでコミュニケーションの行き違いが生じます。犬達はそれを、吠えたり、噛んだりといった行動で飼い主に知らせようとしていることもあります。
また、犬のトレーニング方法はドイツで軍用犬を育てた時代に入ってきたものが、日本では広く普及していましたが、新しい時代にあったコミュニケーション方法も最近では広がっています。人間の子どもの教育方針や家族との関わり方が、明治時代から今の時代にかけてどんどんと変化してきたように、犬の教育論もこれからもっと変化すべきと考える方が賢明ですよね。
では、犬想いの賢い飼い主はどうすればいいのでしょうか?
まず、何をおいても、「そもそも犬とどのような関係を結んでいきたいのか?」ということをまず飼い主さんがはっきりさせましょう。「犬は絶対服従で飼い主には逆らってはいけない。犬とは主従関係を結び、言うことを聞かなければ力をくわえよう」なのか、それとも私と私の愛犬オポとの関係のように「犬は私たちの家族。また犬と人間は常にフェアです。だから、犬を犬として認め、お互いに理解しあえるような努力をし、犬にわかりやすいような教育の機会を与えます。人間としては群れを守る役割を担いながら、その結果強い信頼関係を築きます」といったものもあるでしょう。つまり何を「選択」し、その選択をもとに「集中」することが大事なのです。
私はトレーニング依頼を受けた際、まず飼い主さんに、この問題について必ず提案しています。それを選択するのは飼い主さんだからです。テレビでやっているどんなに簡単なしつけのハウツーでも、それを行う結果、私達はどのような関係を作るのか?ということをまず自分に尋ねてみましょう。
もし間違っていたかもと気付いたら、すぐに修正する勇気をもってください。犬たちはいつも寛大です。飼い主の成長を何よりも喜んでくれますよ。
宮武先生のオフシャルホームページ[Good Boy Heart]
http://www.goodboyheart.com/
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