▲ニッコリほほ笑むようなゆとりのある楽しさ。
「あなたの犬は『人が好き』ですか?」と聞かれると答えに困ります。
だって自分が「あなたは人が好きですか?」って聞かれたとしたら、「どんな人と一緒に何をするのかによります」って答えますからね。通りをただすれ違う全ての人に対して「あの人も好き、あの人と話がしてみたい、あの人に触ってみたい…」なんて思いませんよね。

ところが犬のこととなるととたんに見方が変わってしまいがちです。歩いている人をじぃーっと見つめる犬、すれ違う人にとびつく犬、通りを歩いている人の方へリードを引っ張る犬、人が手を出すと興奮する犬。こうした犬たちって、『人が好きな犬』のグループにいれられていることがよくあります。
もう少し冷静に見てみましょう。
犬にとって『人』というのは種の異なる動物でしたね。種の異なる動物であることの最大の違いは、『コミュニケーションの違い』です。人は犬のように4つ足で臭いを嗅ぎながら近づいたり、尾を振ったり耳を動かしたりはしません。ですから、人と暮らす経験の浅い犬にとってはコミュニケーションのわからない動物となります。そうすると、犬は近づいて臭いを嗅ぎ、それが何であるのかを確認したくなります。もしくは、じぃーっと見つめて観察しようとします。いずれも自分にとって無視してもいい情報なのかどうかを確認しようとするのです。人にとびつく犬は、人が自分に対して積極的になることに対して興奮しやすい傾向があります。逆に人に対して社会化している犬は、人に声をかけられたことでとびついたりすることはありません。犬同士のあいさつをみてください。あいさつの時に犬同士がとびつきあってはいないでしょう?
人という動物に理解を示すようになると、通りですれ違っても知らない人は無視をして歩けるようになります。知っている人に対しては早く近づいて臭いを嗅ぎ、「確かに自分が予測していたあの人だ」ということを確認したいという行動をとるでしょう。ただ、一旦臭いを嗅いで相手を確認すれば再び落ち着きます。これが人に対して社会化された犬の行動なのです。ただ、『人が好き』という行動ではありません。

犬が全ての人が好きというよりは、人と同じように「この人とこんなことを一緒にするのが楽しいな」という程度なのでしょう。その楽しさの表現は、ピョンピョンとびついたり、ワンワン吠えたりする興奮レベルの高いものではなく、ニッコリほほ笑むようなゆとりのある楽しさであって欲しいですね。

犬とのごあいさつの時に、高い声を出して犬を興奮させるような人も多いのですが、犬にとってはとても疲れることです。落ち着いた状態で接してあげ、犬が興奮しすぎないようにしてあげてください。犬たちも、人と落ち着いて話をし、人を理解し、人と暮らす社会でゆっくりと生活したいと望んでいることでしょう。
宮武先生のオフシャルホームページ[Good Boy Heart]
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