▲コーフンしないで!オポはただの犬です・・・
犬を見ると「ワー、かわいいー!!」と絶叫して近寄ってくる人がいます。そのうえ、犬の頭をグリグリとなでまわし、犬が飛びついてくるとさらに興奮して「ワーイ、喜んでるー」とテンションが上がってしまう人…。犬が座ると「かわいいー!」、犬が体をかくと「かわいいー!」。犬がぐったりして寝ていても「かわいい!ぬいぐるみみたい」。あなたの周りにもこんな人はいませんか?

私の場合、犬と会った時にこんな反応は示しません。だからよく「先生って本当に犬が好きなんですか?」と尋ねられます。「ペットショップや動物病院に行ったら、カワイイ!って言われるのに、先生はいわないんですね」と言われたこともあります。
また、以前にもこういうことがありました。飼い主さんが手放した犬を保護されている方に犬の様子をみてほしいと言われ、ご家庭に伺った時のことです。複数の犬たちは交代に私に近付き臭いをとるなど、少し落ち着きのないサインを出して緊張感を表現していました。私は依頼を受けた方と話をしながら、立位置を少し変えたり動いたりして犬の状態を受け取っていたのです。ついにはその方が「どうして犬を見られないのですか?」と不思議そうに尋ねられました。その方のいう犬を見るというのは、犬に声をかけたり触ったりすることのようでした。いつもそうしているからでしょうが、話の間中その方は犬に手をあてたり触り続けていました。
では最初の質問に戻ります。「犬が好きか?」という質問であれば、答えはイエスではありません。例えば、「人が好きですか?」という質問に変えられても、人が好き、という表現はわかりにくい表現のような気がします。もう少しわかりやすく言うと、どんな犬に出会った時でも、その犬と良い関係を築いていきたいと思っています。
そのため、はじめはできるだけ犬のコミュニケーション方法を優先して、話をはじめていくように心がけています。初対面の犬にいきなり人のルールを導入するのも失礼でしょう。相手に自分の臭いをとらせて安心感をもってもらいたい、いきなり近付くのではなく、ゆっくりと距離を縮めながら相手が近付いてきてもいいよというサインをみせたら、接触を始めるなどですね。犬たちは距離があっても臭いの情報などから相手を確認し、人に敵意がないことを受け取っていくでしょう。でもどんな犬も警戒心があります。犬の警戒心をときながら接触を図りますが、本当の信頼を獲得するのにはその犬に何度も会っていっしょに時間を過ごす必要があります。関係というのは時間をかけて作っていくものですよね。

犬のコミュニケーションを勉強して接すると「大興奮のご対面」ということにはならないのです。犬は「犬を見ると興奮する人」に接していると、その犬自身も「人に会うと興奮する犬」になってしまいます。犬が興奮することを喜んでいると思ったり、犬を興奮させることを楽しんだりしてしまいますが、犬はもっと落ち着いて会話をしたいと思っていることでしょう。犬に会うと興奮するのは、ごく最近の日本人独特の文化のようです。もともとは町中を歩いている犬をみても知らんぷりといった風景だったはずです。たまに時代劇なんかに犬が出てくる時にはそうしたシーンでしょう。
どうしてこんな文化が生まれてしまったのかわかりませんが、小型化されてぬいぐるみのようになってしまった犬が街中を散歩する風景が急激に増え、本来の犬との暮らしを見失ってしまったか、本来の犬と小型化された犬を別の動物としてとらえているからかもしれません。

あなたが犬と散歩している時に「犬を見ると興奮する人」に出会ったら、「そんなに興奮しないで下さい。これは普通の犬ですから」と相手の興奮を静めて対面を臨みましょう。そのうちこんなTシャツを作ってみんなで着ましょうか?「コーフンしないで!これはただの犬です」。
宮武先生のオフシャルホームページ[Good Boy Heart]
http://www.goodboyheart.com/
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